■ GAME ■ 

ナイトオウルxロールシャッハ
R18

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 両腕を捕まれてドサリと押し倒された。
ベットが軋み、布団が沈む。

「嫌だ。やめろ・・・」
「嫌じゃない。ツケを払うだけだ…ロールシャッハ、君は約束を破るような男じゃないだろ?」
「チッ・・・」

ロールシャッハが恨みがましく睨んでもダニエルはまったく堪える様子がない。
それどころか、嫌がれば嫌がるほどギラギラとした欲望の火が彼の瞳の奥に灯っていく。

「縛り上げるのは免除したんだから感謝してほしいな。
本当なら”縛られて好きにさせます”っていう条件も入っていたんだから。」

今から1時間ほど前に2人でオセロゲームをしていただけなのに、何故こうなったのだ。



事の始まりはこうだ。
パトロールが終わった後、ロールシャッハはオウルネストで整備しているダニエルの姿をソファに座って眺めていた。
疲れが溜まっているからとパトロール後、自宅に帰る前にここで小一時間ほど休憩するのが習慣となっていた。
いや、本当はすぐに帰りたくなくて理由をつけて滞在させて貰っていのだ。

−少しだけだ。

別に話をしたいとか一緒に遊びたいわけではなく、なんとなく彼の側には気が休まる空間がありそれをほんの僅かな時間でいいから感じたいだけだった。
休憩といえば少しくらい居座っても不振に思われないと考えて彼にはそう伝えていた。

人のいいダニエルは「いいよいいよ、ずっと居ても!」と歓迎ムードだったから、つい甘えてここ最近は毎日こんな風にすごしていた。
ソファにもたれて、全身の力をだらりと抜いて過ごす心地良さは本当に格別だった。
ここは地下で誰にも正体を見られる心配がないし、壁の薄い自宅のアパートのように住人の生活音が四六時中聞こえるわけでもない。
外で喧嘩の声もしないし、それになにより心許せる相棒が居る。

目線を上げると笑顔でダニエルが四角い箱をかかえて近づいてきた。
「まだ時間あるならゲームでもしない?」



最初に賭けたのは飴だった。
飴でも賭けるのは嫌だと渋ったのだが、こういう遊びは何か賭けたほうが絶対に楽しいと押し切られてしまった。
負けるのが怖いんでしょ?と挑発されたのがきっかけで金品は賭けないという条件で賭博をする事を受け入れた。
それがエスカレートしていって、飴以上の物を賭ける事になったのだが。


(くそっ、だから嫌だと言ったんだ・・・)


ロールシャッハは心の中で悪態を付いた。
友人であり善良な市民の見本のようなダニエルが、ロールシャッハを裸に剥いて犯したいと思っているなど夢にも思っていなかった。
ここに押し倒される前にツケをいくつか消化した・・・風呂場で洗われ腸内清浄の様子をつぶさに観察されたのだ。
こんな下らない約束など反故にして、彼を殴り倒し飛び出す事も出来たのにロールシャッハはしなかった。

いや、出来なかった…屈辱と怒りと後悔でどうにかなりそうだったが、行為の一つ一つをクリアするごとに優しく抱きしめられてキスされたのだ。
彼の鬼畜な行為を忘れさせるようなとろりと甘く優しさに溢れた濃厚なキス。
抱きしめている時の彼の瞳は泪で潤み、まるで恋する相手に対する眼差しのように見えた。
初めて彼とキスしたのに、元から自分が彼の恋人だったのだと錯覚してしまいそうな・・・。
唇が重なるたびに心がじくじくと疼いて魔法がかかったようにぼうっと思考がかすんだ。

そして、何故自分かこの場所でこのような行為をしているのか分からなくなっていった。




「じゃあどれからしてもらおうかな・・・」


そう言うとダニエルはおもむろにカードを10枚取り出した。
飴の後に賭けたのはこのカードだった。
大きなトランプサイズの白紙カードで、勝つと一枚所有できる。
ゲームが終わった後、相手にしたいこと、やってもらいたい事を書き込むと言っていた。
「金銭絡みや生活に支障のあるようなことは絶対に書かないからいいでしょ?」
ロールシャッハはダニエルを信用していたから頷いた。
凄くくだらない事を相手が書くと思っていたから・・・例えばロールシャッハが負けたら【皿洗いをさせる】とか。
俺が皿洗い?面白い。
それにロールシャッハはこの好機にかこつけてダニエルにさせてみたいことがあり、自分の欲に負けたという形で賭けをすることにしたのだ。

(俺としたことが、うかつだった・・・)

自分に負い目があると感じて、腹立たしさや情けなさでギリギリと歯を食いしばる。




「じゃぁ、これ」


目の前に差し出されたカードには(Blow job)と書いてあった。

「しない!絶対にしないぞ!ふざけるなッ」

カッと頭にきて大声で拒否したらカードの主はあっさりと「しなくていいよ」と頷いた。


「僕が君にするんだ・・・」
「?!」


ダニエルの手がロールシャッハの胸から腹、そして下肢へと滑り降りていく。
「僕の口で君の・・・を味わいたい・・・」
大きな手がロールシャッハの中心を握り締め、大きさを確かめるように顔を寄せる。
唇で下から上へとソフトに形をなぞり、先端に軽くキスをする。
まるでこれは今から自分の物だといわんばかりに。

「や、やめろ!」

焦って止めようとしたが、手で阻む前にダニエルはロールシャッハの雄を口一杯にほおばり、柔らかい舌を竿に絡めながら何度も上下に擦った。
そして、先端を隠す皮を舌先で剥いてから敏感な亀頭の段差を円を描くようにクルクルとなぞる。

「ひッ…!!」

急激な刺激に仰け反り息が止まる。

「や・・・やめっ・・・」

言葉とはうらはらに全身の神経は下半身に集中し、与えられた快感を逃がすまいと無意識に相手の男の頭を両手で押さえつけていた。
口の動きに合わせて腰が動き、わなわなと震えて汗がにじむ。


「あっ・・・ああっ・・・!」
(・・・ウソだ、止まらない・・・)


屈辱的な攻め、異様なシュチエーション、あのダニエルが自分を押さえつけて熱心に自分を味わっている事、
恥ずかしさや背徳感そのすべてに興奮している己に気付く。


(そんな馬鹿な)
(いやだ、いやだ、いやだ・・・!)


拒否すればするほど身体は逆の反応を返す。
そして快楽は階段を駆け上がるように急激に絶頂へと導かれていった。
硬く瞑った目を開いた時にダニエルと目が合ったのだ。
彼はロールシャッハを心底いとおしそうに見つめ返してきた。
相手は自分を騙してルールでがんじがらめにした挙句、屈辱的な行為に及んでいるというのに・・・。

自分は蹂躙されているのではなく愛されているのではないかと何の根拠もない考えが頭をよぎる。
ダニエルの情熱的な視線はロールシャッハの心を奥底から激しく揺さぶった。
その瞬間、気が狂いそうなほどの快楽が稲妻のように腰から脳天に駆け抜けていき、ロールシャッハは真っ白に弾け散った。








(おわり)

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メモの走り書き。N鬼畜攻め。(一応合意)

出来る事ならマンガで描きたいけど、今は時間なくてすいません。

完成させるのは今のところ、ちょっと厳しい。


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